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ー外壁の汚れを正しく落とす完全ガイド|素材別・汚れ別の安全な手順と予防策ー

外壁塗装

外壁クリーニングの基本:まずは汚れの正体を知る

外壁の汚れは「付着した物質」と「外壁素材」の組み合わせで落とし方が変わります。砂埃や排気ガスは物理的付着、カビ・コケ・藻は増殖性、白華(エフロ)は溶出成分の再結晶です。無理な力や強い薬剤は最後の手段にし、まずはやさしい方法から試すのが基本です。

代表的な汚れの種類

・砂埃・雨だれ:表面堆積。水洗いと中性洗剤で対応しやすい。
・排気ガス・油分:親油性。弱アルカリが有効だが塗膜への影響に注意。
・カビ・コケ・藻:生物汚れ。除菌まで行わないと再発。
・白華(エフロ):タイルや目地で白い結晶。酸性洗剤で可溶化(素材確認必須)。
・サビ:金物周辺。還元剤や専用洗剤+防錆が有効。

外壁素材の代表例

・窯業系サイディング:塗膜を傷める研磨や強アルカリはNG。
・モルタル壁:ひびに汚れが入り込む。高圧は控えめ。
・金属サイディング:サビ注意。中性〜弱アルカリでやさしく。
・タイル外壁:目地の白華・カビ対策が要点。酸・塩素は試験必須。

作業前の準備と安全対策:養生・天候・道具を整える

小見出しに入る前に、共通の準備を押さえましょう。洗剤の希釈、脚立の固定、電源・給水の確保、排水の行き先確認は基本。車や植栽、窓サッシ・換気口は飛散防止の養生を。曇りで風弱めの日が理想で、直射日光下では洗剤が乾き跡残りの原因になります。

必要な道具リスト

・やわらかいブラシ/スポンジ、ホース、バケツ、スプレー
・中性洗剤、弱アルカリクリーナー
・カビ取り用塩素系、白華用酸性洗剤(素材適合品)
・保護具(手袋・メガネ・マスク)、養生シート
・低圧設定可能な高圧洗浄機(任意)

天候と時間帯のコツ

・気温10〜25℃、曇りで風弱めが理想。
・直射日光と強風を避ける。
・近隣配慮で日中に実施。

汚れ別の落とし方:やさしい順に段階アップする

外壁洗浄は「やさしい処置から強める」が鉄則。いきなり強酸・強アルカリ・高圧は塗膜や目地を傷めます。以下は一般的な住宅外壁の基本フローです。素材と状態に合わせて無理なく進めてください。

ステップ1:乾いた汚れを払う

砂や花粉を先に落として擦り傷を予防。上から下へ、隅はやわらかいブラシで。

ステップ2:水で予洗い

面を濡らし汚れを浮かせます。サッシや電装部は直接当てず、斜めからやさしく。

ステップ3:中性洗剤で全体洗い

希釈した中性洗剤をスポンジで円を描くように。乾く前に区画ごとに十分すすぎます。

ステップ4:油分・排気ガスは弱アルカリ

塗膜適合を確認し希釈率厳守。短時間処理し、仕上げに中和・すすぎを徹底。

ステップ5:カビ・コケ・藻は塩素系で除菌

スプレー後に数分放置→やさしく擦り→大量の水で流す。金属・植栽は養生。酸との混用は厳禁。

ステップ6:白華は酸性洗剤で短時間処理

タイルや目地の白い結晶は試験施工のうえ短時間で。仕上げは中和・水洗い。

ステップ7:サビは点で対処

還元剤やサビ落としを綿棒でピンポイントに。後処理で防錆・タッチアップを検討。

素材別の注意点:サイディング・モルタル・タイルで違う

素材の違いによって許容できる圧力や薬剤が変わります。塗膜の有無、目地の吸水性、金属の有無を見極め、必要以上に強い処置を避けることが長持ちのコツ。DIYで難しいと感じたら、早めに専門業者へ。

窯業系サイディング

チョーキングがある場合は擦り洗い最小限。水洗い+中性で様子見し、シーリング劣化部への高圧は避けます。

モルタル壁

ひびに薬剤が残りやすいので短時間で。低圧予洗いと十分なすすぎを徹底。

金属サイディング

研磨材は避け、中性〜弱アルカリで。洗浄後はよく乾かし、防錆処理も検討。

タイル外壁

酸・塩素は混ぜない、試験施工、短時間、中和洗いの順守が基本。

高圧洗浄は“低圧”から:距離・角度・順序の基本

高圧洗浄機は便利ですが、誤用は塗膜剥離や水侵入の原因になります。ノズルは広角、吐出圧は最小から試し、30〜50cm離して斜めに当てます。重なり目やシーリング、換気口周りは直撃させず、上から下へ一定速度で動かすのがコツです。

圧力とノズル選び

住宅外壁は100〜120bar程度で十分。回転ノズルは局所のみ。

作業の順序

上階から下階、日陰から日向へ。乾く前に区画ごとに仕上げるとムラを防げます。

やってはいけないNG集:塗膜劣化や事故を防ぐために

よくある失敗を先に知っておけば、無駄な出費や事故を避けられます。特に薬剤の混合、強すぎる圧力、摩耗を伴う研磨は取り返しのつかないダメージになります。次のポイントは必ず守りましょう。

NG例と回避策

・塩素系×酸性の混合:有毒ガスが発生。絶対に混ぜない。
・金属ブラシやメラミンの多用:塗膜に微細傷。やわらかい道具で。
・強アルカリの長時間放置:艶引け・色ムラ。希釈と短時間を徹底。
・高圧を目地・サッシへ直噴:水侵入・膨れ。距離と角度を守る。
・真夏の直射日光下:洗剤が焼き付き跡に。曇天や朝夕を選ぶ。

DIYか業者依頼かの見極め:費用・時間・リスクの比較

どこまでDIYで、どこから業者かの線引きも重要です。面積が広い、二階以上で高所作業がある、白華やサビが広範囲、塗膜が弱っている等は、専門業者の方が安全で結果的に経済的。見積では作業範囲・使用洗剤・圧力条件まで確認しましょう。

DIYに向くケース

・平屋や足場不要の範囲
・軽度の砂埃・雨だれ・一部の藻
・中性洗剤中心で短時間に終えられる規模

業者に任せたいケース

・二階以上や急勾配、足場が必要
・白華・サビ・広範囲のカビが再発している
・塗装の劣化が進み洗浄だけで傷みそう

仕上げ後の予防メンテ:きれいを長持ちさせる習慣

洗浄して終わりではなく、再汚染を防ぐ工夫で見た目と耐久性を伸ばしましょう。雨だれ筋は庇や雨樋の補修で軽減、北面のカビは植栽や風通し改善が効きます。年1回の点検で早期対処を心がければ、大規模な補修や再塗装の計画も立てやすくなります。

日常のケアチェックリスト

・換気口下・窓下・コーキング際の筋汚れを季節ごとに確認
・北面や日陰の緑化汚れは早期に中性洗浄+除菌
・雨樋の詰まり、庇・水切り金物のぐらつきを点検
・年1回はホース洗いと軽い洗剤洗いでリセット

再発防止のプラスα

・撥水や防藻・防カビコートを塗装時に併用
・駐車位置の見直しで排気ガス付着を低減
・未舗装地の土埃対策を検討

以上を押さえれば、「素材を傷めずに、再発しにくく落とす」外壁クリーニングが実現します。手順は必ずやさしい処置から段階的に。迷ったら無理をせず、試験施工と専門家への相談を組み合わせて、安全第一で進めてください。

2025.10.10